FXでは逆指値注文を使うことができます。逆指値注文では為替レートを指定することができますから、指値注文に似た部分はあります。しかし、一旦注文が出された後の挙動は成行注文に近いと考えられます。トリガーを設定した成行注文だとも言えるでしょう。

例えば、現在の為替レートが1ドル=120.00であったとします。このレートを超えてくれば買おうという戦略を持って、120.05で逆指値の買い注文を入れた場合を考えてみましょう。為替レートが上昇して120.05に到達したときには、買い注文が発注されます。平穏な相場であれば120.05で約定しますが、急騰している場合にはそれよりも高いレートで約定することもあります。

つまり、スリッページが発生することがあるのです。指値注文ではスリッページが発生することは原則としてありませんから、この点では成行注文に近いと考えられます。FXではロスカットが大事ですから、ポジションを持てば逆指値でロスカット注文を入れておくことが多いです。しかし、それを入れたからと言って決めたレートで必ずロスカットできるわけではないという点に注意しなければなりません。

スリッページが発生して損失が拡大することもあります。逆指値注文という呼び方が指値と同じようなものだと錯覚させてしまいますが、実際の挙動は成行注文に近いですから、FXのリスク管理を行う上では必ず認識しておかなければならないのです。